イギリスのフラワースクールの事、旅で出会った花たちや、世界のイベントなど、日高ちひろが見つけた日々の雑記帳。

香る花の魅力

クチナシ
花の形、テクスチャーはブーケやフラワーアレンジメントをする際のデザイン要素となり大事なのですが、芳りのある花に遭遇した時は、足を止め目を閉じて心豊かになる瞬間があります。香る花については2009年のブログ香る花でいくつかご紹介しましたが、今回はTwitterのfloraldailyの記事で見つけたロンドンの著名なデザイナー Niell Strainさんのブログより花と香の関係、切り花にはどうして香る花が少ないのか、イギリスの夏に入手できる香る花などをピックアップしてご紹介します。

花は様々な固有の形、鮮やかな色や芳香などで昆虫や鳥たちを引き寄せ受粉をしてもらい、固有の種の存続をしています。鳥や蜂は色が分かるためより明るい色の花へ、その他の花、例えば庭のハーブや森にある花などのほとんどは香で昆虫を引き寄せる仕組みであるようです。受粉が終われば種を付ける準備となるため、豊かな香も鮮やかな花の色もこの時点で役目終了。現在花屋で見つけられる花のほとんどは農家によって栽培され、消費者の手元でより長く持つためにブリーダーたちにより改良を重ねられています。ハウスの中では虫を完全にシャットアウトし、受粉をさせないようにしているとの事。

寂しさを感じますが、香る花はもちろん存在します。イギリスで夏に入手できる花はフリージア、たくさんの色のバリエーションがあり、最初の花が終わってしまってもちゃんと最後の花まで咲き、長い間楽しめるとの注釈です。ストックは日本では早春のお花ですが、甘い香りが脳裏をかすめますね。日本で6月から7月に咲くクチナシ、デリケートで私にはなかなか難しいで花です。百合、最近はローズリリーという八重咲きで花粉の出ない種類も紹介されています。昨年のハンプトンパークのフラワーショーでは展示たありました。数年のうちには日本でも入荷しやすくなると思います。そして最後にケニアで栽培されているダマスクローズ、香水の原料ともなる芳醇な香りがするバラはStrain氏のお気に入り。特に彼が入れているファームでは、地球にやさしい持続可能な栽培方法で、地元の方々へも仕事をオファーできるフェアートレードであるとの事。一流のフローリストにとっても香る花はやはり特別なようです。

ビクトリーブーケ コンテスト2016 Medalist Bouquet contest 2016

オリンピック ヴィクトリーブーケ コンテスト
8月6日お台場のヴィーナスフォートで3回目のオリンピックブーケのコンテストが行われました。
毎年このブログで様子を書いているばかりでしたが、私自身オリンピックで選手に手渡されるヴィクトリーブーケは以前からデザインしてみたいと思っていました。オリンピックの日本開催のチャンスはなかなかないと思い、この機に応募しました。

初めての事ですので、スケジュールを読み規定から逸脱しないように心掛けました。ゲーム開催中は膨大な数のブーケを作らなければならない事を考え、まずは花の入手性、真夏の気候にも耐えられる花、日本をイメージできる花など実際の現場を想定して花材をリストアップ。菊は日本を代表する花で生産量も桁外れに多いため輪菊をメインに。ダイアンサス(ナデシコ)、リンドウ、ホスタなど日本原産もしくは日本にも分布する植物もあれこれ検討。最終的にはリストしていたダイアンサスをバラに変更。実はコンペ直前までメインである菊の花がずっと心に引っかかっていました。フランス系の方、そしてユダヤ教徒にとってはこの花は悲しみの花でギフトとして贈るのはとてもタブーである事。しかしコスト面ではダリヤよりも安価、何よりも扱いやすいためやはり初心貫徹。
オリンピック メダリストブーケ オリンピック ビクトリーブーケ

だれでも花の名前がわかるようなごく普通のハンドタイドブーケです。ブーケの基本を守りバランスを確認しながらの作業。イギリスのフラワースクールで最初に学ぶハンドタイドブーケです。すべての基本はここから始まりです。花と花が重ならないように、スパイラルがきれいになるか、配色、ポーション、重さなどのチェックポイントをクリアして会場へ。すべり込みセーフで入賞でした。尚、ジャパンカップの審査をなさっている方々に作品を審査していただけるのは大変光栄な事だと思います。審査員の皆様も長い時間ありがとうございました。また準備をなさった皆様にも深く感謝いたしております。

再び横置き輸送へ

イギリスのフローリスト専門誌 The Florist よりとても新しい情報です。
世界の花の市場では縦置きのバケツ輸送がメジャーです。切り取られた花は生産者からすでに水の入った状態で市場へ運ばれていますが、ヨーロッパではまた横置での花の輸送が始まりそうです。というのも水を必要としないパッケージが開発され、現在オランダの業者にて採用されています。

これは肉やベーカリー食品などの保存に採用されていた仕組み。空気を抜くことにより食品の鮮度を保つというものです。植物も空気を抜き眠った状態に保つのだと思います。このパッケージはActive Modified Atmospheric Packaging (AMAP)と呼ばれ、開発はPerfoTecによるもの。花は呼吸により水分がでて細菌が発生しやく、他の食品よりも開発が難しかったとの事。マンゴーの鮮度輸送に取り組んでいたインド最大のパッケージ会社UflexではPerfoTecnoシステムに着目。共同開発にて'Flexfresh’という地中分解可能なフィルムを発表。花は酸素をとりいれられ、一方で水分を蒸発させられるという画期的なもの。これにより花を乾燥したよい状態に保てる。

このFlexfreshは花をスリーブに入れたまま利用でき、5日は水がなくても大丈夫。顧客の手元に渡ってからは7日間は楽しめるというお墨付き。すでにオランダの通販会社BloomPostではこの形式により花の宅配を開始。膨大なコスト削減につながるとの事。何よりもよい事は、顧客が受け取ったときの状態を心配しなくてよい事だとも。今後は農家から市場へ。そして各店舗へ配送へも広がってゆく見込みと。

バケツが消える日ももうすぐかもしれないですね。

Ref: The florist Co. Uk 'water-free-flower-delivery-on-the-horizon'

フラワーデザイン・オブ・ブリテン ヨーロッパクラス2016のお知らせ

2007年より毎年続いているヨーロッパクラス。最初のレッスンはオランダのナールドワイク市場の仲卸のスペースでのキックオフ。世界一といわれるオランダ花市場の見学、花の生産者ファームの見学、リテールの関係者のデモ、進んだ流通システムなど様々なものを見せていただきとても刺激的でした。参加者のみなさんとも友情を深め、花で繋がったご縁は、私にとってはかけがえのない宝となっています。

2008年より会場をロンドンへ移し、数年間は秋にロンドンクラスとして開催。
Westonのデザイン入門クラス終了後、そのまま続けてセッションに参加する方、飛行機を何本か乗り継いではるばるお出かけ下さった方。ストックホルムからボーイフレンドと一緒にお越のデザイナー、地元ロンドンのフローリストのご参加などそれぞれの方のお顔が浮かびます。また、お呼びする外部の先生たちも、みなさん業界のフロントラインでご活躍する素敵な方々ばかり。先生の写真を見るとその時のデザインが鮮やかに思い浮かぶ位です。毎回とてもインパクトのあるクラスで、吸収するものも多く年々充実度が増すコースであると思います。

ロンドンオリンピックを境に物価高騰が著しく、また為替の変動によりしばらくはWestonのメインスタジオでコースを開催していました。昨年7月、フラワーショーのため久々にレッスンを開催していたロンドンのホテルへ滞在。息をのむほど庭が美しく、50を超えると思うくらいの植物を発見。気が付けば早朝からカメラのシャッターを連打するありさま。ふと我に返り、数年遠ざかっていたこのエリアにまた戻ってきたいと感じました。

2016年ヨーロッパクラス ロンドンにて開催です。
10月28日から4日間
参加費 800ポンド
ハマースミス ロンドン

フローラル ワークショップ

初夏のリース ジグゾーパズルで色を添える初夏のリース ジグゾーパズルで色を添える
卒業生の一人であり先般も六本木ミッドタウンのコンペなどでも活躍のデザイナー 伊勢丹立川の四季彩花にご勤務のKikoさんのワークショプへ参加してきました。テーマがセル&フラワー...細胞をモチーフにし、自分のインスピレーションで作業を進めて下さいとの事。まったくの初心者の方もいれば、アートやアロマ、カラーリストなど花以外のお仕事をなさる多様な方々のご参加でした。

1作目はパズルのシートに自分の好みの色を塗り、ビーズやカラーワイヤーなどで細胞のようなものを作り上げる。そして2作目はリースベースを土台に、1作目のパズルをバラバラにしてリースの中へ色を散りばめるという作業。冒頭から色塗りに夢中でこのバラバラにするというポイントを聞き逃したのか、最初のパズルシートでは立体的にコネクションを持つデザイにしてしまったため私にとってはパズルを外すという事が非常にサプライズとなりました。季節のアジサイを使ったナチュラルなリースがあっという間に色を与えられ、遊びごころたっぷりなテーブルデコレーションになりました。本当にすばらしいアイディアですね。サプライズも重なりとても有意義なセッションでした。

キャリアーコースからコツコツと積み上げマスター取得。今思い切り自分のデザインで仕事ができるのは努力の甲斐あっての事ではないでしょうか。スクールにとっても卒業生の活躍は非常に頼もしい限りです。

それにしても、他の先生のレッスンも刺激になりとても楽しいですね。またこのような機会があれば参加してみたいと思います。みなさんもぜひご一緒に!...と言う事でロンドンクラス日程が決まりました。ブラッシュアップへぜひお出かけ下さい。
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2016年ヨーロッパクラス@ロンドン
10月28,29,30,31
ハマースミス
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サマーリース リースの定義覚えてますか?

日本フラワー&ガーデンショウ2016 横浜

薄ピンクのジギタリス
4月22日から2日間、パシフィコ横浜の展示ホールで開催されていた園芸展にも出かけてきました。ハンギングバスケットや寄せ植えのコンテスト、新種の花の紹介のコーナー、チューリップの展示などがありたいへんな賑わいでした。

まずは素敵なハンギングバスケットと寄せ植え御紹介しましょう。壁なども手作りされており、中には絵画風となっていてハンギングバスケットと素晴らしい調和でのディスプレーでした。
ハンギングバスケット金賞作品 'Shabby chic<br />
' ハンギングバスケット金賞作品 タイトル「Shabby chic」
ハンギングバスケット コンペティション会場 ハンギングバスケット ハンギングバスケット ハンギングバスケット

寄せ植えも素敵です。いつか同じようにできたらと思いますが、やはり少しばかりの勉強と経験が必要なようです。皆さんも参考になさってみてはいかがでしょう。

東京ミッドタウン フラワーアートアワード2016

東京ミッドタウン フラワーアートアワード2016 ローズアレンジメント 活躍するマスターフローリストたち
4月19日火曜日から24日まで六本木にある東京ミッドタウン内で開催中のフラワーアワードを見に出かけてきました。この展示会はバラを使った作品のコンペティションでフランスのアートフローラル国際コンクールへの登竜門です。毎年手の込んだ大作の数々が六本木のランドマークに飾られます。毎年チームの作品は確実にレベルアップしてきています。
今年のテーマは「IMAGINEイマジン」

同時開催されているのがローズアレンジメントコンテスト2016、そしてフラワーデザインエキシビジョン、美しい花の器の展示もあります。前者はバラの魅力を引き出しどれだけ美しく表現することができるか、フラワーアレンジメントによる美的表現を競うコンテスト。テーマ「Natural & Harmony」

ローズアレンジメントの展示エリアに到着するやいなや、2つのデザインが目にとまりました。端から見るにしても気になってしょうがないレベルです。その一つの前でやはり足が止まりました。アンティークのケースからバラの花が零れ落ちるようなエレガントさ、カラーハーモニーも文句なしです。トップからのリズムもよく、主催者の出したスケジュール(出展概要)をすべて満たしているよい作品と感じました。名前を見るとなんと名古屋のサマーセットフラワー主催の青山真紀さん。弊校でマスターフローリストの試験を一昨年パスしたばかりの方でした。見事な作品に感銘いたしました。
フラワーアレンジメント マスターフローリストの作品

実は驚きはこちらだけではありませんでした。

ロンドン ニューコベントガーデン 2016春トレンド

ロンドン ニューコベントガーデン フラワーマーケット
イースターを直前にしたロンドン ニューコベントガーデンのレポートです。
無論この時期は水仙、ムスカリ、ラナンキュラスに勿忘草と春を代表する花が並びますが、今年はちょっとトレンドに新しい動きがあるようです。水仙と言えば黄色でしたが、白も人気、ムスカリも色に変化のあるもの、ラナンキュラスはちょっとクラシカルなポロンとした丸みが好まれウエディングによく使われるそうです。一方Cappuccinoのように変わった花びらのラナンも人気。

イースター用にはやはり水仙がダントツ人気。イースターの花である白い鉄砲ユリもマーケットでは目にする花。枝モノはモクレン、サクラ、芽のついた柳が人気で、これらは最近の質感の違いに敏感なフローリストたちに人気の商品とか。

東京もマーケットも冬の間じっと成長し続けていた花たちがパワフルに咲き誇り、市場はカラフルでとても素敵です!
英国フラワースクール、来月に新学期が始まります。
世田谷フラワーマーケット 春の花の入荷
アルストロメリア 'プレシャス'新しい品種だと思います。プレシャス!!値段もプレシャスですが本当に目を惹きました!
世田谷フラワーマーケット 春の花の入荷""冬の間エネルギーをためていた日本のバラもそろそろ並びだしました。生産者によるプロモーションです。

ref:floradaily より

チューリップの日 National Tulip Day Holland

チューリップのアレンジメント
オランダではチューリップの日 'National Tulip Day'というのがある事をつい最近知りました。2016年は1月16日土曜日。
アムステルダムのダム広場に生産者がチューリップガーデンを作り、訪れた人に無料でチューリップハンティングを楽しんでいただくというものです。お花のプロモーションの為ですがスケールが大きいですね。一番寒さが厳しい季節、ぽわ~んと揺れるチューリップの花に囲まれれば、なんとなく心は春に向いてゆくような気がします。詳細はオランダ観光局で。

チューリップについてのおさらいです。
学名Tulipa 
英語名Tulip
ユリ科の球根植物
原産 中央アジア山地 (カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタンからパキスタン北部、タジキスタンのパミール高原など)
名前はトルコ語のテュルバン(ターバン)に由来。花がヨーロッパに渡る時に通訳が花の形はターバンに似ていると説明した事から、花の名前と誤解されて伝わったものとされているようです。咲き方の色々はこちらのブログで。アネモネのお花のブーケの時にご紹介しましたが、チューリップは切り花にしても成長を続けます。成長過程でフラフラとポジションも動きます。それもまたこの花の魅力だと思いますが注意が必要です。

チューリップのアレンジメントは、上記の理由でちょっと敬遠していましたが、新年を迎え久々に頑張ってみようとエネルギーが湧いてきました!1月16日東京事務所でもチューリップ祭りにしようと思います。お越しになりたい方、日高までご連絡を!!
info @ fdb.jp (スペースは詰めて下さい)

ポリガラ・ミルティフォリア

ポリガラ・ミルティフォリア
5月頃日本の市場で購入し、オレンジやレモンなどのフルーツを使ったアレンジに使いました。花の形は豆の花と似ておりとても長持ちしてくれたのを記憶しています。マジェンタ色で白いブラシが上向きに出ます。個性的ですが小ぶりの為他の花との相性もよく、心をつかんだ花でした。どなたに聞いても周りには知る人はおらず気になっていた所です。

夏のイギリス、ハンプトンコートパレスの植物のエリアで偶然にも見つけました。やはり美しく目を捉えました。名前はポリガラ・ミルティフォリア。

Polygala myritifolia 'grandiflora'
常緑低木。茎は直立しよく分枝する。葉は柔らかい印象がある。枝先に群がる5弁花は小型で、緑白色地に赤紫の筋が入る。竜骨弁は紫色で、先端が白色のレース状に立ち上がる。
http://metabolomics.jp/wiki/Species:Polygalaより

すっきりしました。今度は庭で育ててみたくなりました!

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