Chihiro Hidakaさんのブログ

Japan Florist of the Year ~日本花職杯~ 2018 アレンジメントとブーケ

日本花職杯2018 アレンジメントとブーケ
今年は金曜日と土曜日という日程だったため土曜日のファイナルに出かけてきました。久しぶりに秋らしいよいお天気、足取り軽くお台場のアクアシティまでお出かけです。会場の中では前日行われた予選の作品が所狭しと並んでいました。予選ではハンドタイドブーケとアレンジメント。2018年のテーマは「花でつなぐ日本。世界。」資材使いも楽しく、個性あるそれぞれの力作を拝見してきました。

ユニークな資材
多色を黒と合わせる作品が多かったように思います。日本固有の物からオリジナルの資材をハンドメイドしたもの、ナチュラルの資材を使ったものなどを巧みに組み合わせられ、どれもツイストが入りトップフローリストの柔軟性が覗えます。

足が最初に止まったのがこちらの作品。高明度の多色を黒で引き締めた作品です。日本で育てられたマムやダリアをメインの花とし資材と花双方でのパターンのリピートにより心地よいリズムが生まれている作品です。ウィンドーディスプレイでのアイキャッチャーにはブリリアントなアイディア。楽しい!
ユニークな資材使いのフラワーアレンジメント

黒の枝とカラフルな手毬をストラクチャーとし花を添える手法。色が目に飛び込む作品。こちらの2つの作品は資材のビビットさで抜き出ていました。
ユニークな資材使いのフラワーアレンジメント

障子紙のようですが、こんな使い方は初めて遭遇

2018年秋 英国ロイヤルウエディング

2018年は幸運にも2回も英国ロイヤルウエディングを見る事ができました。チャールズ皇太子の弟君アンドリュー王子の次女、Princes Eugenie of York ユージニー王女とJack Brooksbank氏の結婚式が2018年10月12日にウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂で沢山の祝福の中で執り行われました。

さて、簡単ですがお持ちになっていたブーケについてです。ティアドロップシェイプで、おそらくワイヤーブーケで、お花4種類とグリーンは2種類ほど。英国王室伝統のマートルの葉は写真からでは確認できませんでした。白い花々の間から見えるブルーのエリンジウムはスコットンドの国を象徴するアザミに似ているためとの事で、英国のロイヤルウエディングには頻繁に登場するお花となります。手元のブーケに入れていない場合はたいていドレスやベールの刺繍に施されています。最近のブーケトレンドとしては小さな花を寄せ集めたブーケが非常に好まれます。キャサリン妃の時はスズラン、メーガン妃の時はアスチルベなどが印象的です。今回はマダガスカルジャミンも加わっているためもっと香るブーケだったに違いありません。

<ブーケのお花>
バラ
マダガスカルジャスミン
スズラン
エリンジウム
ヘデラ
イタリアンルスカス

ウェデイングドレスは英国のピーター・ピロット社デザイン。すそにかけてゆったりと広がるAラインにボリュームをキープしながらトレーンを長く引くエレガントなスタイルです。ブーケは王女の背丈とドレスの長さに合うように作られていて、サイズとボリュームは共に非常によいバランスでした。ハンドルはちょっと長かったような気がしますがカーブした独特なハンドルは英国王室のワイヤーブーケの特徴でもあります。ブーケはあくまでも花嫁を引き立てる脇役の一つ。ブーケだけ、あるいはブートニアだけ独り歩きをさせる事だけは避けたいですね。

イギリス王室の伝統に沿って、結婚式の翌日そのブーケはウエストミンスター寺院の無名戦没者の墓へと手向けられました。今年は2回もロイヤルウエディング。幸せそうな花嫁を拝見し、だれもが幸せを分けていただいたようなムードになったのではないでしょうか。ユージニー王女、どうぞ末永くお幸せに!

Ref:
結婚式の画像はTwitterの @RoyalFamilyで確認できます。
ウェディングの記事と写真 Elle Japon 日本語版 https://www.elle.com/jp/fashion/a23735139/princess-eugenie-piter-pilotto-wedding-dress-181012-hns/ 

秋植え球根

秋植え球根
秋分の日も過ぎ急激に秋となってしまいました。気温も低く洋服の衣替えも間に合っていない次第です。毎年秋植え球根のトピックスで書きたかったのですが、考えていてからもう数年は経ってしまっています。思い出した時がその時!今書かねばまた今年もタイミングを逃してしまうと思い頑張る事にしました。

春に咲くポピュラーな球根植物はほとんどといっていいほど今の時期に植えます。球根自体に栄養があるため直植えにする場合は特別に土を用意する事なく楽ちんなものです。事前に咲きそろった時のカラーハーモニーなどを考えてから植えるとだいたいの雰囲気が想像できます。カラフルにしたいのか全体を同じような色で統一するのかなどあれこれプランするのも楽しく、フラワーアレンジメントを始める前と同じです。イギリスのフラワースクールではまずデザインを考えてから行動に移すようにと教えられます。途中プランを変更し、何度も材料を変えたり考えを変えたりすると最終デザインに程遠いものができる事はもう皆様もご存じの通り。

近年は花の種類も増え選択肢が広まり、それはそれで悩むのですが思いついた秋植えの球根たちの列挙です。お馴染みの球根植物は春の球根植物のブログに載っている物とダブります。そしてちょっとマニアックで目を惹く物などもリストアップしてみました。庭に花があるとその花でもフラワーアレンジメントが楽しめます。一番新鮮な花は大いに利用したいですね!

<秋植えの球根植物-ポピュラーなもの>
チューリップ ユリ科チューリップ属 中央アジア イランパミール高原 カザフスタンステップ地帯原産
フリージア  アヤメ科フリージア属 南アフリカ原産
スイセン ヒガンバナ科スイセン属(ナルキッスス属)イベリア半島 地中海沿岸原産
ヒヤシンス ユリ科ヒヤシンス属 地中海東部沿岸からイラ ン トルクメニスタン付近原産
ラナンキュラス キンポウゲ科ラナンキュラス属 地中海沿岸 西アジア~ヨーロッパ東南部原産
ムスカリ ユリ科ムスカリ属 地中海沿岸原産
アネモネ キンボウゲ科アネモネ属 地中海沿岸 西アジア~ヨーロッパ東南部原産
リューココリーネ ユリ科レウココリネ属 南アメリカ チリ原産
クロッカス アヤメ科クロッカス属 地中海沿岸 ヨーロッパ南部 

水がなくても使える花たち - フローラルジュエリー

フローラルジュエリー
ボディフラワーとして付けるネックレスやブレスレットなどに使う花の話です。
ここ10数年ボンディングされたフラワーデザインは大流行しており、コンペティションでは普通に見られるようになりました。簡単にちょっと違った方法で花を楽しめるという点ではユニークですが、花首だけを使いその場限りとなるため罪悪感も。ただワイヤリングだけではできないデザインもありますので、以前イギリスのヨーロッパクラスで習ったフローラルジュエリーを私のレッスンへ組み込みました。作成してから最低でも12時間、花がしおれない事を前提に水なしで使える植物のリストアップです。アプローチはドライフラワーとして存在するもの、多少の熱に耐えられるものです。

<水がなくても使える花たち - フローラルジュエリー用>
ハイドランジア アジサイは名前にあるの通り(Hydra-水)もともと水を好む植物。すぐに萎れてしまうため押し花で利用
シルバーレース とても繊細でフローラルジュェリーにはピッタリなのですが乾くとクテッとしてしまいます。こちらも押し花で
オーキッド類 南国の植物、水持ちもよく熱にも強いです。3日は色も水も落ちません
センニチコウ まん丸いボタンのようでとてもチャーミング。色も残るためドライフラワーでよく使われる植物
ヘリクリサム 帝王貝細工という和名。もともとカサカサしたテクスチャーで水揚する時点ですでにドライフラワー??
オーニソガラム サンデルシー 白い花弁に深緑の中心部。フロレットだけ使いますが、数日後でもなんと雄蕊がそのままの形で残るスグレモノ
ミニバラ 短命ですが萎れてもバラはバラの形で残ります
リモニウム 夏は水無のほうが管理が簡単。きれいなドライになります
ヒペリカム つやつやと光沢があるベリーは可愛いので使いたいですね。近所で栽培している方がいらっしゃいました!
スタキス ビザンティーナ モフモフなシルバーリーフのラムズイアーの事です。プリザーブドで売られていますが、天然ドライでOkなアイテムです
セネシオ 多肉植物。重さがあるのが難点ですがうまくサイズを選べばアクセサリーでも使用可能 グレーイッシュな色も魅力です
セダム セネシオと同様。丈夫でとても重宝、種類も豊富です

花粉症・アレルギーを起こしにくい植物

花粉症を起こしにくい植物
私自身様々な植物にアレルギー反応があり、イギリスの先生からはなぜ花の仕事に?と揶揄されるくらいです。忙しい花屋を営むデザイナーも花粉の飛ぶ時期になるといきなりトーンダウン。花粉症とは誠にうっとうしい限り。アレルギーの原因となる花粉が飛び散るブーケなどは、正直どんなに素敵でもいただきたくないです。ギフトとしてオーダーを受ける時の花選びはなるべく影響の少ない花を選ぶように注意しています。以下少しばかりですが、私が日ごろから使う花たちです。春先から夏ごろまで出回る花を中心に選んでみました。

オーキッド ラン科の植物は花粉が飛び散らない代表的な花。
アンスリューム
ザンテデスキア
ダイアンサス
トルコキキョウ
バラ
リンドウ
セロシア
プロテア
リューコスペルマム
ハイドランジア
リシアンサス
デルフィニウム
ニゲラ
スィートピー* 皮膚にアレルギー症状が出る方もいます
ビバーナム
ストック
フリージア
パンジー
ラナンキュラス
リモニウム
オレガノ
ワックスフラワー
ブバルディア
オキシペタラム**切ったときに出る白い液は皮膚につかないように注意

実物 開かない物だったらほとんど大丈夫
バラの実
クロコスミアの実 
ユーカリの蕾 
ビバーナムデンタタムの黒い実 
ヒペリカム

植物の事をよく知っているとお花選びもスムーズですし、他の方への気配りにもつながります。ヒーリング効果のある植物たち、上手に使いましょう!

ウエディングブーケの行方

イギリスのロイヤルウェディングが終わると、花嫁のブーケは必ずウェストミンスター寺院の無名戦士の墓に捧げられます。エリザベス女王のお母さまのエリザベス王妃が結婚した時にそうなさった事でもう95年も続いている伝統との事。詳細が日本語で載っていますのでリンクしておきます。
BBC日本語 www.bbc.com/japanese/44193540

2018年ロイヤルウエディング

5月19日本日は英国王室のロイヤルウエディング。ダイアナ妃の次男であるPrincess HarryとMeghan Markleさんの結婚式の日です。 メーガンさんの手にしているブーケはハリー王子が前日ケンジントンパレスの庭で摘まれた花も入っているそうです。ダイアナ妃の好きだった花、勿忘草を入れ、母君の面影をしのばせたブーケであったようです。スィートピー スズラン アスチルベ ジャスミン アストランチアそして英国王室ゆかりのマートルの小枝をシルクのリボンで束ねた小ぶりの花束となっています。 しっかりとタイトに束ねられており5月の季節を感じるノーブルな、本当に幸せを呼ぶようなブーケです。デザイナーはPhilippa Craddockさん。ロンドンのフローリスト。

ウィンザー城 St.George礼拝堂の飾りも白や淡い色合いのバラを基調とし素晴らしい季節のハーモニーを感じます。動きもダイナミック、クラシックではない今風なあしらいがとても素敵です。

花嫁のシルクのベールには、Commonwealth(イギリス連邦:かってのイギリスの支配下であった、独立した国家)を代表する53の花とケンジントン宮殿にあるWintersweet(ロウバイの一種 どのような花かは不明です。)という花、そしてメーガンさんのの生まれ故郷のカリフォルニアポピーの刺繍が施されています。

詳細はBBC Newsから抜粋しました。http://www.bbc.com/news/uk-44055385

生花のコサージュ

生花のコサージュ
春は卒業式や入学式、結婚式など和やかなお祝いの集まりが増えてきます。そんな時のドレスやスーツの胸元にフレッシュなお花のコーサジュをつけると、またぐっと華やかな雰囲気となります。

生花のコサージュはどうやって作るのでしょうと聞かれる事が多いのですが、お花の一番美しい部分だけを使いワイヤーで形成してゆきます。初めてコサージュの作り方を学ぶ生徒さんに作り方をお教えすると、大抵は大胆な花首カットに目を丸くしてびっくりした様子でご覧になっています。

好みの花を使ってのコサージュ作りはとても楽しいのですが、やはり向き、不向きの花があります。人間の体につけるものですので体温による影響があります。パーティは短時間という考えですが、気が付いたら水が下がっているなんて言う事はプロの仕事として許されません。作る時も手の温度で花を傷めないよう気を使います。作り手は練習を重ねできるだけ短時間でコサージュを作る事が望ましいのです。

コーサジュに向いている花
比較的暑さに強い花がリストに上がってきます。ドライでも用途がある花なども活躍します。反対に使いたくないお花はチューリップなど温度傾性のある植物です。体につけると開花が進み原型をとどめなくなってしまう時があります。そして切った時に液がでる物、これは作り手にとってのアレルギーを発生しやすく、水あがりが悪い植物もしくはすぐに水が下がるものが多いです。花粉がボロボロと落ちるものもドレスを汚しますので使いません。リーフとの相性もありますので、様々な花で試作し、作りやすく、植物同士の相性がよいものを見つけてください。何事も経験ですのでトライ&エラーです。参考までに私がコサージュによく使う花々です。

バラ
胡蝶蘭
シンピジューム
デンファレ
ヴァンダオーキッド
ステファノティス(マダガスカルジャスミン)
カーネーション
カラー
ガーベラ
トルコキキョウ
グラジオラス
スプレーマム
ヒヤシンス
フリージア
スプレーストック
ムスカリ
エキノプス
ワックスフラワー
リモニウム
ヒペリカム
ユーカリ ポプラスベリー

コーサジュのお花の選び方

筑波らん展 シマクモキリソウ

シマクモキリソウシマクモキリソウ Liparis hostifolia
79年ぶりに南硫黄島にて発見との記事を見て、次の日に筑波実験植物園へ出かけてきました。よい秋晴れとなりましたがとても寒い朝でした。温室では「筑波らん展」が開催されており、珍しい蘭の花々とともに開花したシマクモキリソウが展示されていました。およそ20㎝位の小さな植物で花もまだ2つしか開花がなく野生蘭固有の地味感が漂います。解説にはこの植物の確かな記録があるのは父島と南硫黄島のみで、6月に現地で採集、3株持ち帰りそのうちの1株が開花し特徴からその種が判明したとの事です。大陸からは遠い小笠原諸島で独特の進化を遂げた生物の一つとの記載がありました。厳重に囲われ花まで距離があり、じっくりと目を凝らして見ているといつの間にか後ろには長蛇の列。たいへん失礼いたしました。珍しい蘭のすばらしい展示の数々。香のある花も多く短い時間でしたが蘭の花にとても癒されました。
ブラッサボラ 'ディグビアーナ'ブラッサボラ 'ディグビアーナ' 細かいフリンジ付き。ユニークです。
バルボフィラル 'クライリット ベバルト'バルボフィラル 'クライリット ベバルト'
デンドロキラム 'コビアナム'デンドロキラム 'コビアナム' フィリピンの1400~2000mに自生。夏は風通しのよい戸外で栽培と注釈がありました。今年の夏にハワイアンナイトのトロピカルアレンジメントに入れた香のよい蘭です。

Japan Florist of the Year ~日本花職杯~ 2017

ウエディングブーケ 日本花職杯2017
10月14日(土曜日)お台場で開催された日本花職杯の競技会を見に行きました。タイトル通り日本のフローリストの精鋭たちのコンペティションです。

最初の項目はハンドタイドブーケ。開始前には各テーブルにユニークなフレームが並んでいます。近年のフローリストリーではほぼデザインが出尽くしており、いかにして個性豊かなアイデイアで魅せるかが勝利への焦点となります。ストラクチャーを見るだけでも楽しくいくつか目を捉えたフレームがありました。
蓮の実にウールを巻き付けたフレームパーツ 完成されたフレームとしてではなくパーツのみがありました。花をフレームに差し込む作業がないため作る時のスピードが速く時間の余裕が生まれます。
球状のストラクチャーを持つフレーム 球状のストラクチャーを持つフレームブーケボリュームがあり存在感大。球状のユニークなストラクチャーと花がどう調和してゆくのかが興味をそそられました。
木の枝や根などナチュラル感あふれるブーケフレームナチュラルで作り込みすぎない、私の好きなテーストです。

2作品目はブライダルブーケ。花嫁が実際に手で持って歩けるものでなければなりません。今年のヨーロッパでは大きなブーケが流行していますが、サイズとウェイト、資材と花、やはり適正なバランスが重要となってきます。

コンテンツの配信