菊 マム

菊 
キク科キク属 Asteraceae
中国原産 
Chrysanthemum x morifolium /or Dendranthema x grandiflorum
*Chrysanthemumは栽培菊

日本への観賞用の菊の渡来は7世紀後期~8世紀の奈良・平安時代ごろで「古今和歌集」に登場。育種は江戸時代に盛んになり、大輪の菊の「菊合わせ」という品評会が行われていました。その菊の発展は原産地中国にも大きな影響を与えたとの事。日本の菊は和菊とされ、サイズで大菊・中菊・小菊の分類となっています。日本からイギリスや米国へも渡り、各国での品種改良が進み、スプレーマムやポットマム(鉢)などを総称し洋菊と呼ばれ流通しています。

<サイズ別> 主に展覧会などで見られる和菊中心のご紹介
大菊 花の直径18㎝以上 6系統あり、豪華で見ごたえがあり
「厚物」 ボリューミーな花弁が中心に向かって揃い、ぽってりと丸い形
「厚走り」は下部の花弁が少し開き気味に垂れ下がるタイプ
菊「厚物」 菊「厚物」 菊「厚走り」 左と中央は厚物」 右が「厚走り」
「大掴」つかんでねじったような趣。ネーミングもわかりやすいですね
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「管物」 管状花弁が放射に伸びて咲く。花弁の太さにより「太管」フトクダ「間管」アイクダ「細管」ホソクダ「針管」ハリクダと呼び名も変わります。細い花弁が放射状に下がりながら咲く花容はデリケートです
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「広物」 幅広の平弁の一重咲き 一文字とも呼ばれます 
「美濃菊」幅広平弁の八重菊 岐阜県大垣地方で栽培され、色鮮やかさが特徴 ほろりとほどけた咲き方もエレガント

中菊 花径9㎝以上 大菊よりも小ぶりの手頃なサイズ。仏花の花束に入れられる輪菊のサイズです
「古典菊」江戸菊と呼ばれ、細長く撚りがかかったような花びら。時間の変化と共に花容姿も変化するそうです。抱え菊、狂い菊なども呼ばれ江戸時代から明治時代に東京で流行。他の地方にも「伊勢菊」「嵯峨菊」「肥後菊」など固有種があります。 
354 江戸菊
「大丁子咲」中心部の管状花がポッコリと盛り上がった形

小菊 花径9㎝以下がこの分類ですが、一般的には1㎝-3㎝位の小さな花 懸崖づくりや文人作りという盆栽仕立で用いる小さな菊。独特の鑑賞方法ですね。山菊とも呼ばれるそうです。

☆スプレー菊 枝分かれして同時に沢山の花が開花するもので、オランダで改良され1960年日本へ 花は1㎝位から
スプレーマム 'セイエチュード' スプレーマム 'ディックロペス' 左からスプレーマム 'セイエチュード' スプレーマム 'ディックロペス'

花の咲き方は中心部が茶色やグリーンなどはっきりと皿状に密集した管状花が見えるものと見えない物があり、花びらの付き方は様々。以下ごく一般的な咲き方の一例です

<花の付き方・花全体の形状> いずれも花びらが多いタイプ 中心部は密集した花びらによりほぼ見えません。日本語では解説がみつかりませんでしたのでカタカナでのせます。
インカーブド(incurved) 「厚物」に見られるように中心が高くなり全体的に丸く収まるタイプ
リフレックスド/フルリフレックスド(reflexed/fully reflexed) 中心から垂れ下がりながら開花 アメリカで改良された洋菊に見られる
インターメディアット(intermediate) 花びらがふんわりと開き花自体もゆったりとエレガント 横からみた形は真ん中がやや凹んで見えます。「美濃菊」など

<花型 花びらの形>
平弁 丁字 サジ弁 

<花の咲き方> ごく一般的なものですが
シングル咲き 中心部に管状花のディスクがありその周りに一重~五重に花びらが付く
丁子咲 シングル咲きの中心部がこんもりと盛り上がっているもの 英語ではAnemone-centered
ポンポン咲き 沢山の花弁が密集してまん丸くピンポン玉のような形 フルダブル 中心部のディスクは無し/見えない 西洋菊
デコラ咲き 八重咲きで華やかに開花 花びらはインターメディアットの付き方 中心部はほぼ見えない
スプレー咲き 花の付く枝がいくつもに分かれてます。 西洋菊
ピンポンマム 'フィーリンググリーン'ピンポンマム 'フィーリンググリーン'

<切り花のお手入れ>
花瓶は常に清潔に
水につかる部分の葉を取り除く
ナイフで斜めに茎を切るのがベストですが、菊の場合は手折り、よく切れるハサミでも
水を変える時に茎も切り戻しをかける
直射日光, エアコンなどの風、ストーブなどの熱を避ける
エチレンガスを発する果物のそばには置かない

菊の花の色は黄色、緑、ライムや山吹色、サーモンオレンジ、白、京紫、ピンク、あるいは中心と外側が違う色の複色などとても豊富。香も楽しめます。短日性(昼間の時間が短くなり夜が長くなると花をつける性質)のため秋が本来の季節。毎年ハイブリッド系の優雅な姿のマムもかなり多くみられます。少しの手入れで非常に長く楽しめます。特に秋の国産モノは優秀ですので皆さんもぜひお楽しみいただきたいと思います。

*キク科の植物に花粉症の方もいらっしゃいます。実は私もそうでなのですが、その時は玄関など普段いない場所に飾っています。

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references :
山と渓谷社 園芸植物
https://tenki.jp/suppl/yamamoto_komo/2017/10/28/26791.html#sub-title-b

https://www.enjoytokyo.jp/feature/flower/kiku/
wikipedia.org
https://www.justchrys.com/history.php

https://www.jataff.jp/kiku/kiku07.htm