イギリスのフラワースクールの事、旅で出会った花たちや、世界のイベントなど、日高ちひろが見つけた日々の雑記帳。

マスタークラス5 ファイナル試験

6月上旬よりマスタクラス レベル5がメインスタジオのWeston-super-Mareで行われています。受講者は2名。そしてもう1名マスタークラスの生徒さんが特別クラスにご参加なさっています。この5のレッスンが終了するといよいよマスタークラス最後の試験です。お呼びしているのがイギリスの国家審査員、そしてもう一方は大学の教授の外部2名による審査が行われます。約1.5ヶ月前から試験の内容が渡され、各々考える時間を与えられます。サブジェクトに対し十分にリサーチをし、内容をしっかり理解をした上での作品を審査官に見せていただきたい思いです。ポートフォリオ審査、筆記と実技の4部構成で、シビアに点数がマークされます。

今年のスケジュールは
1.葬儀用のリース 男性20台中盤 直径60㎝以下が望ましい 作成時間:1時間40分
2. ブライダルデザイン アーティスティクなブライダルブーケ、ただし実用的である事 ブーケを持つ人物像、ドレスなどがブーケからクリアに想像できる事 作成時間:2時間

要求項目はさらに細かく分かれており、当然ながら難易度は高く、今までの勉強した引き出しの中を隅々まで点検されているよう。さて筆記は無事パスとの事。残りの実技、最後まで頑張って下さい。

マスタークラス5 ファイナル試験

丸い葉

トサミズキ マンサク科トサミズキ/コリロプシス属
緑美しい季節です。今年のゴールデンウィーク中のお天気は晴れ時々雨、気温はかなり低めで今朝は床暖房を付けてしまったくらいです。
本日は気になっている葉についてです。事務所の近くに小さな緑地があり、桜の花と入れ替わりに木々の若葉が日ごとに成長するのを目にしていました。その中でいつも目に留まる丸い葉があります。単葉で円形、外輪は歯状となり葉脈は葉の元から放射状の強い筋とそれに対して斜めに入り込む筋があり中心線からきっちりと左右対称です。葉は思ったよりも肉厚。それほど濃くない緑色、幼葉には時々うっすらと赤い線が見られます。インパクトの強いパターンゆえに目が留まったのではないでしょうか。春浅い頃は黄色く下に垂れ下がる花がついていました。

それにしても植物の細部の説明は難しいですね。これだけで伝わりましたでしょうか?
英語での表現は Leaf shape is round, dentate margins with dichotomous venation. Leaf colour is medium light green, occasionally touch of red on surface of young foliage. Rich texture, but not too stiff. こんな所でしょうか。マスターファイナル試験直前で葉についてのプロジェクトがあり、その時のノートを広げながら書いています。植物の観察は本当に飽きないですね。今日も午前中が飛んでゆきそうです!

トサミズキの花 マンサク科トサミズキ(コリロプシス)属
トサミズキ 土佐水木 Corylopsis spicata
マンサク科トサミズキ(コリロプシス)属 Hamamelidaceae
ヒマラヤ東部、中国、7-10種に分布、日本では高知県土佐近辺の蛇紋岩地帯のみに自生 季節の花300
spike winter hazel

ヘラボラス オリエンタリス / レンテンローズ

ヘラボラス オリエンタリスの花束

クリスマスローズと言う方も多いのですが、この種は春になり少し暖かくなってきた頃ゆっくりと花穂を上げてきます。イギリスではレンテンローズと呼びちょうど今の季節、復活祭前の40日間のレントの時期((四旬節)に開花します。色のついている部分は萼片、本当の花の部分は中心部に小さく蜜腺として残っています。切り花にするタイミングは黄色い雄蕊がついている頃、カットして雄蕊が落ちてしまってからも萼はそのままの色で残り、長く目を楽しませてくれます。茎はすらりとしていて長く扱いやすいので今回はハンドタイドブーケにしました。一本の茎から約3輪の花がついているためかなりボリュームが出て見栄えもします。このヘラボラス オリエンタリスはオアシスよりも直接花瓶に入れる方が長持ちします。デザイナーたちはグラスチューブなどに花首を入れて飾りますが、手間もかからず保水さえできていれば2週間は楽に持ってくれますので本当にありがたいです。下向きに咲く花ですがとても丈夫で半日陰の庭がお好み。強い耐寒性があり毎年こぼれ種から庭中に芽が出ていました。雰囲気が温室育ちの花とは異なりますので、他の花と合わせる時はちょっと考えて選んでみて下さい。趣のある花、むしろコンテンポラリーにすっきりとしたデザインもよいかもしれません。

Helleborus orientalis ヘレボルス・オリエンタリス/レンテンローズ
キンボウゲ科クリスマスローズ(ヘラボルス)属 Ranunculaceae
ギリシャ トルコ グルジア ウクライナ 

p.s. クリスマスローズとは真冬に咲くヘラボラス ニガー Helleborus niger
ヨーロッパ中部から南部、西アジアにも分布 白い花をつける 12月のクリスマス時期に咲くためこの名がついています。

ヒーリング中 花による癒し効果

花による癒し効果
私事で恐縮ですが、指の関節が曲がるという病気になり、その緩和として時々朝の仕事が終わるとお湯にアロマを垂らして指先のケアをしております。大抵はテーブルの花をしげしげと眺めながらのひと時です。花は癒しと個人的に常々考えておりましたが、国立千葉大学の宮崎良文教授による視覚刺激効果の調査結果により花による癒しは効果的との試験結果が発表されました。検証方法はバラを卓上に置きリラックス時に多くなる副交感神経活動を測定します。花を置いた時には副交感神経活動が花を置かない状態より29%も上昇、そしてストレスを時に反映される交感神経活動は25%も減少されるとの結果でした。明らかにリラックス状態の亢進が見られたとの事です。先生は木材と森林浴の研究の第一人者。森林浴による免疫力の効用などでも長年のご研究を重ねているそうです。自然に触れることによるリラックスは免疫力の回復につながるという自然セラピーをメッセージしていらっしゃる方です。やはり花は癒し、間違ってはいませんでした。花一輪あるだけで心がなごみます。皆さんもぜひご家庭やオフィスに花飾りのお勧めです。病院で花を置く事また開始しませんか?
http://www.mizuho-ir.co.jp/case/research/flower2012.html
参考資料 Paseo Vol.43 Winter

アネモネにご用心

Anemone coronaria 'Wine white'
叔母の為に大きくてぷっくりとしたアネモネを購入しました。つぼみの時でさえ色の含みが美しく間違いなくエレガントに開花すると確信したからです。アネモネの花びらはとても薄く蝶の羽のようにデリケート。ふわふわとしたアルストロメリアをセコンドに優しく優しくブーケに。お贈りした花束はとても喜んでいただき、お礼のお葉書まで頂戴しました。
飛び出したアネモネたち
それから約一週間。我が家にあった同じアネモネたち。せっかくですからと思いそのアネモネと共に様々な春の花で花束にしてありました。そのセンターを飾ったアネモネ、毎日なんとなくブーケから飛び出してくるのがわかるんです。はっと思い出した事があります! アネモネやチューリップはカットフラワーとなっても成長しながら開花し続けます。いやはやそのエネルギーはたくましい物がありますが、ちょっとマズイ事に気が付きました。ブーケのトップのラインが完全に崩れてしまいアネモネだけが突出しているとても不恰好な姿になってしまっていたのです。それはもちろん叔母のブーケにも当てはまります。叔母様ごめんなさい、きっとあなたなら直して下さっているはず。

人生いくつになっても学ぶ事がありそうです。皆さん春のアネモネ、チューリップとラナンは少しだけご用心!

Anemone coronaria 'Wine white'
キンボウゲ科アネモネ属 Ranunculaceae
西アジア~ヨーロッパ東南部、地中海沿岸原産

世界らん展 International Orchid Festival 2014 フラワーデザインコンペ編 Part2 ブーケ

世界らん展 ブーケ
世界らん展 ブーケ 世界らん展 ブーケ 世界らん展 ブーケ
ブーケのカテゴリーではデコラティブで華やかな作品が並びます。デザイナーコードやビーズなどが贅沢に使われ、豪華にデコレーションが施されていました。和紙を重ねたり、手鞠のきらびやかな絹糸の装飾も日本ならではのアイテムで楽しく拝見しています。時折作品を見ながらふと感じる事があります。重たいブーケは長い間持つことは難しいですね。オーバーサイズも苦しく感じます。コンペではありますがブーケは持って歩ける事が必須項目。どうも自分自身がどこかにバランスを求めているようです。一方惜しかった作品もあります。ビーズのみのベースにランの花がリズミカルに配置されていました。シンプルで美しいこのブーケ、私は大変気に入った一点でした。しかしながらハンドルが目をとらえてしまいました。グリーンのドレスに合わせる設定だったのかと色々と思いを巡らせましたが、やはり使われている資材があまりにもこのブーケのイメージから外れていました。

話変わりますが、ソチのオリンピックメダリストブーケに使われている花はマム、紫色はチースかな?ロシアは著名なフラワーデザイナーが多数いる国なのですが無造作に束ねられたブーケを見ると非常に残念に思えました。東京の時はぜひ華やかに!

世界らん展 International Orchid Festival 2014 フラワーデザインコンペ編 Part1

世界らん展 フラワーデザイン 会場
ここ数年楽しみにしているのがフラワーデザイン部門でのコンペティション。蘭展ですのでランの花を使ったブーケやディスプレーが並びます。海外コンペの作風とも違い、日本人の感性でアプローチする作品は作業も細かく繊細さを持ち合わせており、いつも心ときめくものがあります。人が感銘する作品を作れる人は素晴らしいですね。今年も引き寄せられる作品がありました。長くなりますので2回に分けます。
世界らん展 フラワーデザイン会場 コンテンポラリー作品 世界らん展 フラワーデザイン会場 サークル作品 世界らん展 フラワーデザイン会場 コントラスト作品
エコ思考が流行し、フラワーデザインの世界でも塗らない木をフレームとして使う機会が多くなりました。こちらの作品はナチュラルな木目の板を水車のように
組み合わせ、やはりナチュラルウッドのフレームに組み込ませてあります。くりぬいた部分もきちんと作品に収めている所など、無駄がなく私が気に入った理由でもあります。材料をすべて見せる。重くなく、ビジュアルにもフィジカルにもバランスがよい。大変美しい仕上がりでした。四角いフレームにサークルを入れ込んだモダン構成、昨年のチェルシーのフラワーデザインのコンペはサークルがテーマ。トレンド作品で裏もしっかり処理されており美しく仕上がっていました。安定は安心です。赤い毛糸を使った作品も印象的。こちらは冬をプロデュース。見る側に迷いを感じさせません。白と黒のモノクロの世界に赤のアクセント、そして大切なオーキットを一輪。ワックス処理がしてありますのでどんなコンディションでも耐えられます。コントラストが非常に美し作品だと思いました。

世界らん展 International Orchid Festival 2014

世界らん展グランプリ作品 Epi. atacazoicum 'Mt. Iizuna' エピデンドラム アタカゾイカム'マウントイイズナ’ 長野県 栗野原潤さん出展
青い胡蝶蘭 青い胡蝶蘭の生みの親 Phal. 'wedding promenade'ファレノ 'ウエディングプロムナード'
2月15日東京ドームで開催の世界らん展へ出かけてきました。2週間続けて週末に大雪となり交通もかなり不定期でしたが、膝下まである長靴を履き頑張って出かけてきました。会場は予想以上に空いており蘭の花の優しくたおやかな香りに包まれゆったりと閲覧できました。今回のお目当ては青いファレノプシス。ブルーのバラが発表された時はいささか期待はずれな感があったのですが、今回のブルーは鮮やかで美しい青。青い色素はツユクサから取り出された青い花を咲かせる遺伝子を取り込んでいる(もしくは組み換えている)との事で、開発に10年の歳月を費やしたそうです。青い胡蝶蘭、生みの親は赤紫色の中輪ファレノ'ウエディングプロムナード' 美しいですね。花の色としてはいささか見慣れない青ですが、どこかエレガントさが漂うのは蘭の花の特権でしょうか。交配により人工的に作られた花ではありますが、神秘的という言葉がぴったりなような気がします。

タイ パタヤクラス 2013年 Part2 スタッキング

フラワーデザイン・オブ・ブリテン タイ パタヤクラス2013 フラワーデザイン・オブ・ブリテン タイ パタヤクラス2013
一日で終わらなかった作品を仕上げ、プールにセッティングしました。生徒さんによりピンクのフローティングデザインです。”パーティー”という楽しさが感じられ会話も弾みそうです。私は生徒さんがレッスンを受けている間、ほぼ一日中眺めて楽しみました。優しい風に吹かれてゆらゆらとフロートする様子は心洗われ雑念を忘れさせてくれます。
フラワーデザイン・オブ・ブリテン タイ パタヤクラス2013 ランチ フラワーデザイン・オブ・ブリテン タイ パタヤクラス2013 休憩エリア
パーティー作品が終わりましたので、ランチはちょっとだけお祝いです。先日テーブルセッティングでたまたま開けたサイドボードにリキュールの瓶が沢山。見つかってしまったからには先生も作るしかないでしょう。という事でマルガリータがランチにサービスされました。お酒も入ってしまいましたので少しゆったりと休憩。ランチブレークの後は新しい作品に取り掛かります。2mもあるロートアイロンの台に飾り付けてゆきます。使わなければいけない技法はスタッキングです。一部にスタッキングのテクニックを入れ自由にアレンジするという事です。生徒の間でチームを組替え新しいメンバーとの共同作業です。作品もチームもグループワークです。鮮やかな色の花、アレンジの仕方はそれぞれ独特。やはり数名いるとクラスも楽しいですね。

タイ パタヤクラス 2013年 Part1 フローティングアレンジメント

フラワーデザイン・オブ・ブリテン パタヤクラス フラワーデザイン・オブ・ブリテン パタヤクラス
教室はプールサイド。時差がないため体は非常に楽です。雨季でないためいつも快晴。心地よい早朝の風が心も体もリフレッシュしてくれます。
当然ながらレッスンの準備はすでに整い生徒を待つばかり。庭には南国の花ヘリコニアが見頃で美しく、プールの青とのコントラストが実に目に鮮やかでした。午前中は課題についてのディスカッション。フローティングの仕掛けや、地元タイでの飾り方の紹介などがありました。このクラスは学ぶ事が多く、後半は時間切れとなってしまうため先生も初日からハイペース。既に水着を着用していらっしゃり、作品ができるや否やプールでセッティングして下さいました。タイの花飾りは葉やハスの花を畳んだり、また香りのする花、鮮やかな花を糸で通して作るガーランドは独特なものです。英国のチェルシーフラワーショーの出展ではいつも素晴らしく何等かの賞を取っているそうです。今回は先生がプリーツ(折り畳み)を施したアレンジメントのベースを用意してくれ、こんなにも身近に触れられた事はとてもラッキーでした。いつかゆっくりとフラワーマーケットを散策しながらローカルの装飾技法を習ってみたいものです。
フラワーデザイン・オブ・ブリテン パタヤクラス フラワーデザイン・オブ・ブリテン パタヤクラス フラワーデザイン・オブ・ブリテン パタヤクラス

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