ブーケ

2018年秋 英国ロイヤルウエディング

2018年は幸運にも2回も英国ロイヤルウエディングを見る事ができました。チャールズ皇太子の弟君アンドリュー王子の次女、Princes Eugenie of York ユージニー王女とJack Brooksbank氏の結婚式が2018年10月12日にウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂で沢山の祝福の中で執り行われました。

さて、簡単ですがお持ちになっていたブーケについてです。ティアドロップシェイプで、おそらくワイヤーブーケで、お花4種類とグリーンは2種類ほど。英国王室伝統のマートルの葉は写真からでは確認できませんでした。白い花々の間から見えるブルーのエリンジウムはスコットンドの国を象徴するアザミに似ているためとの事で、英国のロイヤルウエディングには頻繁に登場するお花となります。手元のブーケに入れていない場合はたいていドレスやベールの刺繍に施されています。最近のブーケトレンドとしては小さな花を寄せ集めたブーケが非常に好まれます。キャサリン妃の時はスズラン、メーガン妃の時はアスチルベなどが印象的です。今回はマダガスカルジャミンも加わっているためもっと香るブーケだったに違いありません。

<ブーケのお花>
バラ
マダガスカルジャスミン
スズラン
エリンジウム
ヘデラ
イタリアンルスカス

ウェデイングドレスは英国のピーター・ピロット社デザイン。すそにかけてゆったりと広がるAラインにボリュームをキープしながらトレーンを長く引くエレガントなスタイルです。ブーケは王女の背丈とドレスの長さに合うように作られていて、サイズとボリュームは共に非常によいバランスでした。ハンドルはちょっと長かったような気がしますがカーブした独特なハンドルは英国王室のワイヤーブーケの特徴でもあります。ブーケはあくまでも花嫁を引き立てる脇役の一つ。ブーケだけ、あるいはブートニアだけ独り歩きをさせる事だけは避けたいですね。

イギリス王室の伝統に沿って、結婚式の翌日そのブーケはウエストミンスター寺院の無名戦没者の墓へと手向けられました。今年は2回もロイヤルウエディング。幸せそうな花嫁を拝見し、だれもが幸せを分けていただいたようなムードになったのではないでしょうか。ユージニー王女、どうぞ末永くお幸せに!

Ref:
結婚式の画像はTwitterの @RoyalFamilyで確認できます。
ウェディングの記事と写真 Elle Japon 日本語版 https://www.elle.com/jp/fashion/a23735139/princess-eugenie-piter-pilotto-wedding-dress-181012-hns/ 

ウエディングブーケの行方

イギリスのロイヤルウェディングが終わると、花嫁のブーケは必ずウェストミンスター寺院の無名戦士の墓に捧げられます。エリザベス女王のお母さまのエリザベス王妃が結婚した時にそうなさった事でもう95年も続いている伝統との事。詳細が日本語で載っていますのでリンクしておきます。
BBC日本語 www.bbc.com/japanese/44193540

2018年ロイヤルウエディング

5月19日本日は英国王室のロイヤルウエディング。ダイアナ妃の次男であるPrincess HarryとMeghan Markleさんの結婚式の日です。 メーガンさんの手にしているブーケはハリー王子が前日ケンジントンパレスの庭で摘まれた花も入っているそうです。ダイアナ妃の好きだった花、勿忘草を入れ、母君の面影をしのばせたブーケであったようです。スィートピー スズラン アスチルベ ジャスミン アストランチアそして英国王室ゆかりのマートルの小枝をシルクのリボンで束ねた小ぶりの花束となっています。 しっかりとタイトに束ねられており5月の季節を感じるノーブルな、本当に幸せを呼ぶようなブーケです。デザイナーはPhilippa Craddockさん。ロンドンのフローリスト。

ウィンザー城 St.George礼拝堂の飾りも白や淡い色合いのバラを基調とし素晴らしい季節のハーモニーを感じます。動きもダイナミック、クラシックではない今風なあしらいがとても素敵です。

花嫁のシルクのベールには、Commonwealth(イギリス連邦:かってのイギリスの支配下であった、独立した国家)を代表する53の花とケンジントン宮殿にあるWintersweet(ロウバイの一種 どのような花かは不明です。)という花、そしてメーガンさんのの生まれ故郷のカリフォルニアポピーの刺繍が施されています。

詳細はBBC Newsから抜粋しました。http://www.bbc.com/news/uk-44055385

ビクトリーブーケ コンテスト2016 Medalist Bouquet contest 2016

オリンピック ヴィクトリーブーケ コンテスト
8月6日お台場のヴィーナスフォートで3回目のオリンピックブーケのコンテストが行われました。
毎年このブログで様子を書いているばかりでしたが、私自身オリンピックで選手に手渡されるヴィクトリーブーケは以前からデザインしてみたいと思っていました。オリンピックの日本開催のチャンスはなかなかないと思い、この機に応募しました。

初めての事ですので、スケジュールを読み規定から逸脱しないように心掛けました。ゲーム開催中は膨大な数のブーケを作らなければならない事を考え、まずは花の入手性、真夏の気候にも耐えられる花、日本をイメージできる花など実際の現場を想定して花材をリストアップ。菊は日本を代表する花で生産量も桁外れに多いため輪菊をメインに。ダイアンサス(ナデシコ)、リンドウ、ホスタなど日本原産もしくは日本にも分布する植物もあれこれ検討。最終的にはリストしていたダイアンサスをバラに変更。実はコンペ直前までメインである菊の花がずっと心に引っかかっていました。フランス系の方、そしてユダヤ教徒にとってはこの花は悲しみの花でギフトとして贈るのはとてもタブーである事。しかしコスト面ではダリヤよりも安価、何よりも扱いやすいためやはり初心貫徹。
オリンピック メダリストブーケ オリンピック ビクトリーブーケ

だれでも花の名前がわかるようなごく普通のハンドタイドブーケです。ブーケの基本を守りバランスを確認しながらの作業。イギリスのフラワースクールで最初に学ぶハンドタイドブーケです。すべての基本はここから始まりです。花と花が重ならないように、スパイラルがきれいになるか、配色、ポーション、重さなどのチェックポイントをクリアして会場へ。すべり込みセーフで入賞でした。尚、ジャパンカップの審査をなさっている方々に作品を審査していただけるのは大変光栄な事だと思います。審査員の皆様も長い時間ありがとうございました。また準備をなさった皆様にも深く感謝いたしております。

ビクトリーブーケ コンテスト2015 Medalist Bouquet contest 2015

和紙をフレームにしたビクトリーブーケ
2020年の夏のオリンピックまで毎年開催することとなったメダリストたちに贈るブーケのコンテスト。8月1日と2日にお台場のヴィーナスフォートで公開中。一年で一番暑い時期のオリンピック開催、なんと米国のTV放映権がらみでこの時期になったとか。

色和紙のフレームのブーケ
和装の十二単を思わせる色重ねのフレーム。和紙ですので選手が客席へ投げ入れても安全です。もう一つ近くに同じパターンを発見。
トップにあるブーケです。こちらは浮彫のある白の和紙。フレームと花との心地よいバランス、そしてなによりも爽やかさが目に留まりした。

トライアンギュラーシェイプのビクトリーブーケ
丸い形の花の心地よいリズムに斜めから入るニュウサイのラインのコントラストが目をとらえます。ブーケの形もトライアンギュラーにするなどなかなかインパクトがあるブーケです。注目度は高いと思います。

優しい和モダンのビクトリーブーケ
他の人が使っていない植物を選び、やんわりと扇形に組んだブーケです。軽くふんわりした植物にふさわしい使い方だと思います。他に見ない作風。

バークのフレームのブーケ
デザイン性とワークマンシップが極めて高いブーケはこちら。お洒落に仕上がっていますし大変丁寧な作品です。

ビクトリーブーケコンテスト Medalist bouquet contest

6th place Medalist bouquet competition in Tokyo 5th place Medalist bouquet competition in Tokyo
8月1日から3日間、東京お台場ヴィーナスフォートでオリンピックの表彰式に用いるビクトリーブーケのデザインコンペが開催されました。この企画は ”夏を爽やかに!スポーツ&フラワーフェスタ”というタイトルで臨海副都心「花と緑」のイベント実行委員会により、2020年東京オリンピック・パラリンピックへの気運の盛り上げ、日本の花き園芸技術による夏花壇の展示や、スポーツの普及・振興を融合させた参加型イベントとの事です。直前になり生徒さんの参加で知らされました。本当に直前エントリーにも関わらず入賞されました。立川伊勢丹 生花店勤務の柳井さんと同僚の方、おめでとうございます。

コンペの審査基準は以下の通り。
 ☆デザインの独創性
 ☆テクニック
 ☆花材の選択
 ☆完成度
1st place Medalist bouquet competition in Tokyo 金賞受賞作品
2020年の真夏にあるオリンピックを想定してこの時期のコンペはよい練習だったと思います。トップで入賞した作品は当然のごとく細部まできちんと気配りができており安定した作品でした。丁寧でよい仕事が高評価だったと思います。

International Lonely Bouquet Day お花のプロモーション

International Lonely Bouquet Day The lonely bouquet by Flower Design of Britain Tokyo
昨年より花に関する世界的な活動があります。目的は花を愛で楽しみましょうという所です。
活動は年に一度決まった日にフローリストやデザイナーあるいは花の生産者さんもしくは庭で花を育てている園芸家などがそれぞれオリジナルの花束を作り、どこかに置いて通りかかった方にお持ち帰りいただくという方法です。ブーケにはメッセージカードを添え、イベントの事や自分の店の事なども書き入れられます。もしブーケを拾い上げてくれる現場に居合わせたらきっと手にした方の笑顔を見る事ができると思います。綺麗と思いしばし足を留め花の魅力にうっとりしたり、ラッキーと思いにやけていたり、目を細めて喜んだり....人の表情は様々。拾った方がその瞬間だけでも幸せを感じてくれる事ができたらプロジェクトは成功です。2014年は6月29日でした。小さなブーケの贈り物で人の笑顔を引き出す事ができるなら、作り手もたいへんハッピーです。2014年は6月29日がこのLonely bouquet dayでした。この活動のホームページではブーケをおいた場所、もしくはピックアップした場所を、自由にピンナップすることができます。頂いた方からのメッセージなども投稿されコミュニケーションの場となりなかなか楽しいです。

たとえ一本の花であっても人の心をなごます事ができると思います。とても素敵な企画ですね。2015年は6月28日です。
The Lonely Bouquet

The lonely bouquet by Flower Design of Britain Tokyo
こんなふうに事務所の前の道路に置いてみました。

ハーブを使った初夏のシュトラウス

Summer bouquet with herbs
6月21日世田谷にて、市場仲卸の前のエリアの定温荷捌き施設の完成のイベントがありました。売りに出す切り花を一定温で保つ品質管理はとても重要な事で、植物も人間も快適です。しかし市場設計の段階でこの仕組みはあるべきだと思いました。

イベント会場ではミュージックライブあり、フードコートあり、オランダのマイスターと日本人のデザイナーのコラボでユリのプロモーションのライブデモなどが催されました。各店舗の前ではワークショッがが開催され、その一つにドイツでマイスター(マスター)を取得なさった橋口氏のクラスに参加してきました。クラスのテーマは「ハーブを使った自然的な花束」。ハーブは優しく爽やかに香り、リラックスもたらせてくれる植物で、梅雨の今時にぴったりな花材だと思います。フローリストとしての面から捉えた花束に関するレジメが用意されていました。クラスの前に目を通し今一度ポイントの再確認。マイスターによる花材や作る時の注意ポイントなどの説明を受け実習。ブーケは水平180度展開、側面は360度どの角度からみても美しく作らなければなりません。一人一人にクリティークの時間を設け順々にアドバイスをなさる姿はマイスターとしての品格があり、素晴らしいオーラを感じました。私へのアドバイスはタイイングポイントが楕円になっているとの事でした。マイスターに手直していただいた時のニュートラルな感覚は大変勉強になりました。普段私がクラスで紹介するのはカッチリとしたブリテッシュスタイルですが、草原をそのまま切り取ってきたようなブーケは家人にも大変好評でした。

FDBも秋にまたヨーロピアンクラスを開催します。ブラッシュアップやトレンドキャッチにお出かけ下さい。
2013年Europe class

花材
Clematis 'White Jewel' 3
Sp Rosa 'Éclair' 3
Hydrangea arborescens 'Annabelle' 3
Alchemilla mollis robster 4
Pelargonium (Scented Geranium) 4
Mentha x piperita L (Peppermint) 5
Rosmarinus officinalis L. (Rosemary) 3

アネモネにご用心

Anemone coronaria 'Wine white'
叔母の為に大きくてぷっくりとしたアネモネを購入しました。つぼみの時でさえ色の含みが美しく間違いなくエレガントに開花すると確信したからです。アネモネの花びらはとても薄く蝶の羽のようにデリケート。ふわふわとしたアルストロメリアをセコンドに優しく優しくブーケに。お贈りした花束はとても喜んでいただき、お礼のお葉書まで頂戴しました。
飛び出したアネモネたち
それから約一週間。我が家にあった同じアネモネたち。せっかくですからと思いそのアネモネと共に様々な春の花で花束にしてありました。そのセンターを飾ったアネモネ、毎日なんとなくブーケから飛び出してくるのがわかるんです。はっと思い出した事があります! アネモネやチューリップはカットフラワーとなっても成長しながら開花し続けます。いやはやそのエネルギーはたくましい物がありますが、ちょっとマズイ事に気が付きました。ブーケのトップのラインが完全に崩れてしまいアネモネだけが突出しているとても不恰好な姿になってしまっていたのです。それはもちろん叔母のブーケにも当てはまります。叔母様ごめんなさい、きっとあなたなら直して下さっているはず。

人生いくつになっても学ぶ事がありそうです。皆さん春のアネモネ、チューリップとラナンは少しだけご用心!

Anemone coronaria 'Wine white'
キンボウゲ科アネモネ属 Ranunculaceae
西アジア~ヨーロッパ東南部、地中海沿岸原産

春のブーケ ノーズゲイ・タジマジ・ポージー

ノーズゲイ タジマジブーケ
中世の頃から親しまれている香りのするブーケ。語源はnose 鼻・鼻腔とgay飾りもの、鼻先を(香りで)楽しませる飾りものという事で、頭や腰などに付けられる小さな花束です。タジマジやポージーとも呼ばれ、ビクトリア時代には花言葉を使い、香りのブーケでメッセージを送りあう事が盛んでした。

イースター前の木曜日には英国女王陛下をはじめ多くのロイヤルファミリーがノーズゲイのブーケを持っています。13世紀以前ではイースター前の聖木曜日にキリストの最後の晩餐にちなみ、王族が他の人の足を洗うという習慣がありました。よい香りのするノーズゲイは足の臭気を紛らわすための役割があったそうです。今日ではこの木曜日をRoyal Maundyと呼び、女王の年齢分の記念硬貨を社会に貢献している年金生活者に渡す事になっています。この時ばかりは男性もブーケを手にいたします。よい香りのフリージアでまとめられ下にはレースがあてがわれている毎年お約束のスタイルです。

ノーズゲイを持っている絵画も沢山あります。絵を見る限りではサイズも小さくナチュラルで、まさに庭から摘んできた花とハーブを束ねただけという趣です。香りがあり小さく束ねるのに相応しい花は春の球根植物に多く見られます。今庭を見るとちょうどムスカリと水仙のダブルデッカー、ラナンキュラスもとても元気、ローズマリーは冬を通してブルーの可愛い花を付け、タイム、イタリアンパセリも成長してきました。本日はムスカリとパンジーのブーケを作ってみました。

使用した植物と花言葉
ムスカリ 通じ合う心
パンジー 私を思って下さい(フランスではバレンタインデーに送る花)
ラヴェンダー - 熱烈なる愛情, 心酔, 成功と運
ゼラニウム 愛情

その他
ローズマリー: 思い出 記憶
ヘデラ(キヅタ):  友情・永遠の愛
ディル : 煩悩 切望
ヴィオラ: 誠意 小さな幸せ 忠実
水仙:  新しい始まり 敬意
ゲイラックス: 友情
アカシア: プラトニックラブ
カーネーション(ピンク): 愛しています
カスミ草: 清らかな心
シロツメ草: 私を思い出して、約束
マーガレット: 真実の愛 誠実
勿忘草: 私を忘れないで
スズラン: 優しさ、謙虚 幸運が戻ってくる、純潔
アイリス: 熱情 熱意

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