写真はルスカスです。国産は八丈島で栽培されています。茎を切り戻し定期的な水替えをすると2ヵ月も長持ちする植物です。長さも十分あるためブーケにそのまま入れたり、アレンジメントでもとても重宝します。今回は斑入りでこんなにもおしゃれなルスカスを発見しました。すぐにでも使いたいと感じました。
カーネーション、バラ、ガーベラ、キンギョソウなどディスプレーは部屋の隅々まで続きます。
カーネーション(ダイアンサス)は複色-花びらの中心と外輪の色が違う物が最近は流行りですが、どれを見ても国産はやはり違います。花の展開が美しいんです!
ネームカードは撮り忘れです。
'ユカリ'
'オーロラオレンジ'
スプレータイプ 'カズキ'
単色で、明るいオレンジ色。名前は 'ミモザ'
オーキットのコーナーからのピックアップです。実は先月、日本における洋蘭の発展についてのリーサチをしながら勉強していた所です。いつ頃どのように西洋蘭が日本に渡来し、誰によってどのように発展していったかなど、関係者の方のご協力を得ていろいろ知る機会があり、今は熱冷めやらずというタイミングです。100年以上も前から愛され続けている花。交配が進み今でもとどまる事なく進化が進んでいる蘭の世界。会場でもエレガントな姿を楽しんできました。
展示は十分なスペースがとられ一つ一つの花の形がよく見えるように並べられていました。
一番背の高いのはエピデンドラム 'アートピンク'。う~ん我が家のはわずか20cm。どうやったらこんなに美しい花が咲くのでしょう!
オンシジューム 'イオノプシス' ピンクとありましたが、ブルーがとても強く出ています。こんなオンシジュームを見たのは初めてです。奥にあったパンプキン色のオンシも美しかったですが、見とれて写真を撮り忘れたようです。
毎年行われているこの展示会は切り花、枝物、観葉植物、蘭、シクラメンやガーデンプランツのポットフラワーなど広いジャンルがカバーされており、最新の花や流行などを見る事ができます。フラワーデザインの展示もありヨーロッパの作品とはまた趣の違う、ある意味日本独得の繊細な作品が見られます。今年も池袋サンシャインシティまでタイミングよく出かける事ができました。一昨年は最終日のため時間がなく展示の一部が見れませんでした。今年は手抜かりなくまずレイアウトをチェックしてから見学です。
今回の受賞作品のエリアの花をいくつかご紹介します。
ラナンキュラス 'エムピーチ' 季節的に今が旬のお花です。作品の横にはなぜ受賞したのかがまとめられていました。これは私たちが花を買うときにも参考になりますね。日ごろ私も何事もバランスと思っていますが、茎と花のバランス...とありました。
バラ 'テナチュール' ゴージャスな花びらで、見るからにボリュームがあり目がゆきます。
スプレーマム 'セイレミダス' 色が鮮やか、枝分かれが深く使いやすそうです。私たちがレッスンでアレンジメントをするときはたいていスプレー菊は枝から取って使う事が多いです。そんな時、少しでも枝が長いと重宝するんです。ライムグリーンの目(中心部)も爽やかです。元気がこぼれてきそうです。
9月になると南瓜や黒猫、コウモリやクモの巣、お化けなどの飾りがあちらこちらで見られるようになりました。日本でもすっかり定着した秋のイベント。ホームパーティーをするのにはとても過ごしやすい季節ですね。玄関先やテーブルなどにハロウィンのアレンジメントでお客様をお迎えしましょう。
ハロウィンの色についてはオレンジと黒が鉄板。この時点でテーマがはっきりしてきます。クールに白と黒の組み合わせや、ハロウィンカラーにライムグリーンを入れればポップに明るく仕上がります。また赤の濃淡で幅を広げたり紫を加え怪しげな雰囲気にしてもよいですね。市販されているオーナメントを使うのも楽しいです。折角の秋ですから実物もぜひ加えてください。 さて、ハロウィンアレンジメントにふさわしいお花です。
オレンジの花
ダリア バラ マム ガーベラ カーネーション ユリ リューコスペルマム ヒペリカム セロシア クロコスミア シンピジューム ジニア ヘリアンサス(ひまわり)など
ダリア ポンポン咲き オレンジ
リューコスペルマム
ヘリアンサス 'サンリッチ ライチ'
シンピジューム 'コカ・コーラ'
9月に入りイギリスのマーケットは秋の花のプロモーションが始まっています。今月のピックアップはアルストロメリア。日本でも20年以上前に大きなトレンドとなりその後も定着し、昨今の花屋で置いていないところはない位です。一本の茎の先端には5個ほどの花が散形状につき、色やパターンのバリエーションも増えフラワーアレンジメントにはとても使いやすい花です。今季の流行りは白系との事。アルストロメリアは10日から季節によっては3週間も楽しめます。家庭で飾るには相応しいお花だと思います。
管理上のポイントです。エチレンガスに弱いため果物とは別に管理。直射日光や風も避ける。花瓶は綺麗に洗い、ステムもその都度カットすればリフレッシュして水もよく吸い上げます。尚、茎を切る時は斜めに!フラットに切ってしまうと花瓶の底にぴったりと着いてしまい水が吸えなくなってしまいます。
アルストロメリアという名前はスェーデンのボタニスト カール・フォン・リンネCarl Linnaeusが、1753年に生徒の一人であるバロン・クラ・アルストロメールBaron Clas Alstroemerより譲り受けた種から出た植物であったため、その生徒の名前を植物に命名したとの事です。春先から初夏まで日本の庭先でも栽培可能。沢山花をつけてくれます。
アルストロメリア
ユリ (アルストロメリア) 科 アルストロメリア属
南米 ブラジル ペルー チリにまたがるアンデス山脈の冷涼地
Alstroemeria
Alstroemeriaceae / Liliaceae
Lily of the Incas, Peruvian, Inca lily, Parrot lily
菊
キク科キク属 Asteraceae
中国原産
Chrysanthemum x morifolium /or Dendranthema x grandiflorum
*Chrysanthemumは栽培菊
日本への観賞用の菊の渡来は7世紀後期~8世紀の奈良・平安時代ごろで「古今和歌集」に登場。育種は江戸時代に盛んになり、大輪の菊の「菊合わせ」という品評会が行われていました。その菊の発展は原産地中国にも大きな影響を与えたとの事。日本の菊は和菊とされ、サイズで大菊・中菊・小菊の分類となっています。日本からイギリスや米国へも渡り、各国での品種改良が進み、スプレーマムやポットマム(鉢)などを総称し洋菊と呼ばれ流通しています。
<サイズ別> 主に展覧会などで見られる和菊中心のご紹介
大菊 花の直径18㎝以上 6系統あり、豪華で見ごたえがあり
「厚物」 ボリューミーな花弁が中心に向かって揃い、ぽってりと丸い形
「厚走り」は下部の花弁が少し開き気味に垂れ下がるタイプ
左と中央は厚物」 右が「厚走り」
「大掴」つかんでねじったような趣。ネーミングもわかりやすいですね
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「管物」 管状花弁が放射に伸びて咲く。花弁の太さにより「太管」フトクダ「間管」アイクダ「細管」ホソクダ「針管」ハリクダと呼び名も変わります。細い花弁が放射状に下がりながら咲く花容はデリケートです
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「広物」 幅広の平弁の一重咲き 一文字とも呼ばれます
「美濃菊」幅広平弁の八重菊 岐阜県大垣地方で栽培され、色鮮やかさが特徴 ほろりとほどけた咲き方もエレガント
中菊 花径9㎝以上 大菊よりも小ぶりの手頃なサイズ。仏花の花束に入れられる輪菊のサイズです
私自身様々な植物にアレルギー反応があり、イギリスの先生からはなぜ花の仕事に?と揶揄されるくらいです。忙しい花屋を営むデザイナーも花粉の飛ぶ時期になるといきなりトーンダウン。花粉症とは誠にうっとうしい限り。アレルギーの原因となる花粉が飛び散るブーケなどは、正直どんなに素敵でもいただきたくないです。ギフトとしてオーダーを受ける時の花選びはなるべく影響の少ない花を選ぶように注意しています。以下少しばかりですが、私が日ごろから使う花たちです。春先から夏ごろまで出回る花を中心に選んでみました。
オーキッド ラン科の植物は花粉が飛び散らない代表的な花。
アンスリューム
ザンテデスキア
ダイアンサス
トルコキキョウ
バラ
リンドウ
セロシア
プロテア
リューコスペルマム
ハイドランジア
リシアンサス
デルフィニウム
ニゲラ
スィートピー* 皮膚にアレルギー症状が出る方もいます
ビバーナム
ストック
フリージア
パンジー
ラナンキュラス
リモニウム
オレガノ
ワックスフラワー
ブバルディア
オキシペタラム**切ったときに出る白い液は皮膚につかないように注意
実物 開かない物だったらほとんど大丈夫
バラの実
クロコスミアの実
ユーカリの蕾
ビバーナムデンタタムの黒い実
ヒペリカム
植物の事をよく知っているとお花選びもスムーズですし、他の方への気配りにもつながります。ヒーリング効果のある植物たち、上手に使いましょう!
春は卒業式や入学式、結婚式など和やかなお祝いの集まりが増えてきます。そんな時のドレスやスーツの胸元にフレッシュなお花のコーサジュをつけると、またぐっと華やかな雰囲気となります。
生花のコサージュはどうやって作るのでしょうと聞かれる事が多いのですが、お花の一番美しい部分だけを使いワイヤーで形成してゆきます。初めてコサージュの作り方を学ぶ生徒さんに作り方をお教えすると、大抵は大胆な花首カットに目を丸くしてびっくりした様子でご覧になっています。
好みの花を使ってのコサージュ作りはとても楽しいのですが、やはり向き、不向きの花があります。人間の体につけるものですので体温による影響があります。パーティは短時間という考えですが、気が付いたら水が下がっているなんて言う事はプロの仕事として許されません。作る時も手の温度で花を傷めないよう気を使います。作り手は練習を重ねできるだけ短時間でコサージュを作る事が望ましいのです。
コーサジュに向いている花
比較的暑さに強い花がリストに上がってきます。ドライでも用途がある花なども活躍します。反対に使いたくないお花はチューリップなど温度傾性のある植物です。体につけると開花が進み原型をとどめなくなってしまう時があります。そして切った時に液がでる物、これは作り手にとってのアレルギーを発生しやすく、水あがりが悪い植物もしくはすぐに水が下がるものが多いです。花粉がボロボロと落ちるものもドレスを汚しますので使いません。リーフとの相性もありますので、様々な花で試作し、作りやすく、植物同士の相性がよいものを見つけてください。何事も経験ですのでトライ&エラーです。参考までに私がコサージュによく使う花々です。
バラ
胡蝶蘭
シンピジューム
デンファレ
ヴァンダオーキッド
ステファノティス(マダガスカルジャスミン)
カーネーション
カラー
ガーベラ
トルコキキョウ
グラジオラス
スプレーマム
ヒヤシンス
フリージア
スプレーストック
ムスカリ
エキノプス
ワックスフラワー
リモニウム
ヒペリカム
ユーカリ ポプラスベリー
コーサジュのお花の選び方
花の形、テクスチャーはブーケやフラワーアレンジメントをする際のデザイン要素となり大事なのですが、芳りのある花に遭遇した時は、足を止め目を閉じて心豊かになる瞬間があります。香る花については2009年のブログ香る花でいくつかご紹介しましたが、今回はTwitterのfloraldailyの記事で見つけたロンドンの著名なデザイナー Niell Strainさんのブログより花と香の関係、切り花にはどうして香る花が少ないのか、イギリスの夏に入手できる香る花などをピックアップしてご紹介します。
花は様々な固有の形、鮮やかな色や芳香などで昆虫や鳥たちを引き寄せ受粉をしてもらい、固有の種の存続をしています。鳥や蜂は色が分かるためより明るい色の花へ、その他の花、例えば庭のハーブや森にある花などのほとんどは香で昆虫を引き寄せる仕組みであるようです。受粉が終われば種を付ける準備となるため、豊かな香も鮮やかな花の色もこの時点で役目終了。現在花屋で見つけられる花のほとんどは農家によって栽培され、消費者の手元でより長く持つためにブリーダーたちにより改良を重ねられています。ハウスの中では虫を完全にシャットアウトし、受粉をさせないようにしているとの事。
寂しさを感じますが、香る花はもちろん存在します。イギリスで夏に入手できる花はフリージア、たくさんの色のバリエーションがあり、最初の花が終わってしまってもちゃんと最後の花まで咲き、長い間楽しめるとの注釈です。ストックは日本では早春のお花ですが、甘い香りが脳裏をかすめますね。日本で6月から7月に咲くクチナシ、デリケートで私にはなかなか難しいで花です。百合、最近はローズリリーという八重咲きで花粉の出ない種類も紹介されています。昨年のハンプトンパークのフラワーショーでは展示たありました。数年のうちには日本でも入荷しやすくなると思います。そして最後にケニアで栽培されているダマスクローズ、香水の原料ともなる芳醇な香りがするバラはStrain氏のお気に入り。特に彼が入れているファームでは、地球にやさしい持続可能な栽培方法で、地元の方々へも仕事をオファーできるフェアートレードであるとの事。一流のフローリストにとっても香る花はやはり特別なようです。
4月22日から2日間、パシフィコ横浜の展示ホールで開催されていた園芸展にも出かけてきました。ハンギングバスケットや寄せ植えのコンテスト、新種の花の紹介のコーナー、チューリップの展示などがありたいへんな賑わいでした。
まずは素敵なハンギングバスケットと寄せ植え御紹介しましょう。壁なども手作りされており、中には絵画風となっていてハンギングバスケットと素晴らしい調和でのディスプレーでした。
ハンギングバスケット金賞作品 タイトル「Shabby chic」
寄せ植えも素敵です。いつか同じようにできたらと思いますが、やはり少しばかりの勉強と経験が必要なようです。皆さんも参考になさってみてはいかがでしょう。